大山町ってこんなところ

御来屋の港から大山きた壁をのぞむ。左の茶色い建物は大山町役場。

大山町は鳥取県の西部に位置する日本海と中国地方の最高峰大山に挟まれた自然豊かなところです。

町の名前にもなっている大山は,西日本最大のブナの原生林に囲まれていて、国立公園に指定されています。
古くは修験の山として多くの信仰を集め、江戸時代中期から戦前までは日本最大級の牛馬市は開かれていました。現在も登山やスキー、紅葉や新緑と多くの人が訪れる観光地となっています。

地元の人が訪れるローカルな海水浴場「木料海岸」。夏は行くとだいたい町内の友人誰かと出会います。

山のイメージは大きい大山町ですが、もちろん海の魅力も。町周辺にはサーフスポットが点在しており、県外からもサーファーが訪れる、実は知る人ぞ知るサーフィンのメッカ。サーフィンがきかっけで移住した方もいます。

主に国道9号線沿いにスーパーマーケット、ホームセンター、コンビニ、ドラッグストア、銀行などがあります。

町内の海側にJR山陰山陰本線、国道9号線、山陰道(自動車専用道路)が通っています。
駅は町内に4駅ありますが、汽車(電車ではありません!ディーゼル汽車です。)は1時間に1〜2本ほどなので、多くの人は車で移動しています。
一家に車は大人の人数分(中には+軽トラ)という家庭が多いです。なので免許を持っていない方はぜひ免許の取得を!

多くの人は、仕事、買い物、通院などで市街地であるお隣の米子市や東隣の琴浦町などに日常的に行き来しています。買い物は町内のスーパーの他に、米子にイオンなどの商業施設もあり、特殊なものを求めない限り日常の買い物に困ることはないのではないでしょうか?

大山町の産業

梨やブロッコリー、白ネギを中心とした農業、サザエやアワビ、鰆、ワカメなどの日本海の幸をとっている漁業、白バラ牛乳や大山黒牛で全国に知られるようになった酪農や畜産など、一次産業が盛んです。

昔の大山の噴火活動によって作られた「大山黒ぼく」という肥沃な土地でさまざまな作物が作られています。ブロッコリーはその代表的な作物です。大山町は西日本最大のブロッコリーの産地。
鳥取といえば梨、というイメージの方も多いのでは?こちらの写真の梨農家、西廼(にしの)潤一さんは大山町に移住してから農業を始め、梨農家として独立しました。
全国的にも知られるようになった白バラ牛乳のミルクを出してくれる牛たち。飲んだことがない人は一度白バラ牛乳を飲んでみて!移住アドバイザー小谷は白バラ牛乳に出会って、すきではなかった牛乳がすきになりました。ミルキーだけど後味がさっぱりしています!
実はあまり知られていない名産品?!サザエ。大山町では素潜りをしてる漁師さんがいます。漁師の奥さんが作ってくれる「サザエのパエリア」は絶品!!

町内には工場などもあり、そこで働く人もいます。
お店などのサービス業は少なめで、そのような職種は米子に勤めに出ている人が多いです。

大山町の生活

町を知らずに来ると、始めはだいたいどこも同じような感じに見えますが、海から山へ約30分とコンバクトな中でも環境の変化に富んでいます。一言で「大山町」といっても、畑や田んぼが多く、農業を中心とした生活をしている人が多いところ、勤めに出ている人が多いところ、漁師町など昔ながらの家が多い集落、新興住宅地、観光地、と人々の生活や町の雰囲気はエリアや仕事によってさまざまです。

スキー場もある、標高700m前後の大山寺エリアは積雪1m越えもめずらしくありません。

まず一番大きな違いは積雪です。9号線沿いだとそこまで深く積もることは少ないですが(それでも雪は降るので冬季はスタッドレスタイヤ必須です!)町内でも少し標高が上がると、降雪、積雪の量がだいぶ変わります。
公道は町の除雪車が除雪してくれますが、私道や私有地、共有地などがあると、家族や近所の人と協力して雪かきをすることになります。

人のつながり

何代も前から住んでいる方も多く、都会と比べると人のつながりが密であると思います。
感じ方は人それぞれちがうと思いますが、人の数が格段に少なく、近所の人やよく行くお店の店員さんなど、同じ人と出会う確率が高い田舎では、声をかけ合う機会は多くなります。

また、「集落」という仕組みがあり、同じ地区ごとに住んでいる人たちがみな入り、定期的に地域の活動を行います。基本的には何か理由がない限り、全員参加することになります。集落の活動は場所によって頻度は多少のちがいがありますが、多くて月に1〜2回、数時間程度です。活動内容は公民館の草取りや、共有の場所の掃除などです。

町内では、アパートなど以外、ほとんどすべての場所で集落活動があります。

面倒に感じるかもしれませんが、都会のように「隣に住んでいる人が誰かわからない。」ということは少なく、特に知り合いなどがいない移住者にとっては、近くに住んでいる人たちと知り合う良い機会なのではないかと思います。

アドバイザーの小谷も、単身の移住当初に入った集落で出会った方に、ゴミ出しなどのルールをまちがえて注意されたこともありますが、それがきかっけで話すようになり、わからないことをたくさん教えてもらい、本当に助けてもらいました。結婚し、町内の別の場所に引っ越した今も、はじめに住んだ集落の方と出会うと、あたたかく声をかけてもらいます。

おすそ分けの野菜をいただいたりもよくします。それはお互いの関係性あってのもの。移住してきた人でも、積極的に声をかけたり、何か自分にできる形で地域に参加しようとしている人、地域に馴染んでいこうという姿勢の人に、もともと住んでいる方も協力してくれます。

移住を希望される方の中に、「なるべく人と関わらないポツンとした一軒家がいい。」という方がしばしばおられますが、実際そのような物件はあまりありません。近隣の人と助け合って暮らしてきた歴史があるので、多くの集落は家がかたまって建っています。
実際にそのような物件はあるとすると、町内でも山側になると思います。山側で家が集まっている集落から離れたところとなると、雪が降ると降雪が沿岸部より大きくなる、その雪かきを自分一人でしなくてはいけない、下水が来ていない、野生の動物が庭を荒らす場合があるなどの、ポツンとした場所ならではの大変さもあります。

大山町の移住者

正確に他の地域と比べているわけではありませんが、大山町は移住者が多いと言われています。

人数が多いというのもありますが、移住者の中から積極的に地域に参加して何かにチャレンジしてみようという人が多いのも特徴だと思います。

移住者がめずらしかった10数年前は、地域の人たちも馴染むのが大変だったという話も聞きますが、先に移住している人たちのがんばりのおかげで、もともと住んでいる人たちの中にも移住の受け入れに積極的に協力してくれる方も多くなりました。

集落の景色に馴染んでいますが、全員大山町への移住者です。みな移住してきた時期はちがいますが、先にきた人から大山町のことを聞きながら、町の一員になっていきます。

移住後の暮らしは本当に人それぞれですが、都会からやってきて、まったくの未経験から農業、漁業に飛び込む方もいます。それも、一人でいきなりは始められないので、地域に参加し、つながりを作って、という流れになります。

「地域に参加と言われても…」と思うかもしれませんが、実際入ってみると声がかかることがけっこうあります。
嫌いやすべてに参加する必要はありませんが、そういう誘いをおもしろがれる人が、商業的なエンタメが少ない田舎では楽しく暮らしているように見えます。

仕事についても、ハローワークで探される方もいますが、実際、多くの求人が「誰かいい人、働いてくれる人おらん?」「あそこでこんなことする人探してるけど誰かおらん?」という人づてに行われることが多くあります。

よく言われることですが、「田舎は仕事がない。」と言いますが正確には「都会と同じような仕事が少ない。」ということだと思います。

「自分はこんなことがしたい」「移住前はこんなことをしていた」という話をしていると、「こんな話があるけどできん?」と声をかけてもらえることもあります。道を歩いている人やお店も少なく、インターネットなどに公に発信されている情報が少ないですが、人のつながりによる「口コミ」がかなり大きな役割を占めているのが田舎の社会です。