移住の流れ

大山町への移住に限らずですが、まずは移住後の自分がしたい暮らし、また自分が思い描く暮らしが移住先で実現可能かどうか、情報収集をしましょう。

市町村の相談窓口を利用したり、定期的に開催される、県や移住支援機構主催の移住相談会に参加して、移住の体験や地域の特徴の話を聞くのもおすすめです。最近はオンラインでの開催が増え、どこにいても気軽に参加できるようになりました。

ただ、相談会などで発信される情報は、多くの人に当てはまる一般的な内容や、参加している方の例で、必ずしも全員にあてはまることとは限りません。

より、ひとりひとりに合った情報を得るためには、個別相談を活用してみてはいかがでしょうか?ほとんどの相談会で個別相談の機会が設けられています。

ご自分のイメージする移住後の暮らしを伝えた上で相談した方が、自分により必要な情報が得られる可能性が高まります。多面的な情報収集をして、移住後の暮らしのイメージを具体化していきましょう。

地域を知る

移住先の候補が決まったら、折をみてその地域をたずねてみましょう。

たまにメールなどでご相談される方の中に、「行ったことはありませんが、移住したいので空き家を紹介してください。」という方がおられますが、ある程度、地域を知った上で具体的な計画にうつることをおすすめしています。

聞いた話と行ってみるのでは、印象がちがう!ということもあります。同じ町内でも、家があるエリアによって、自然環境や利便性や地域性、積雪量も大きく異なります。

また、来る人によっても実際に見てみると感じ方は様々です。特に交通のインフラや買い物するところや学校への距離感、町の雰囲気など、許容の範囲と感じる人、同じ条件でも自分にはむずかしいなと感じる人がいます。それらを知ることで、一気に暮らしのイメージがリアルになるのではないでしょうか?旅行で行ったことがある場所でも、いざ住むとなると必要な情報がまったく変わってきます。

可能であれば、ぜひ季節を変えて、ある程度の期間滞在してみることをおすすめします。

大山町でいえば、春や秋はとても快適ですが、冬は雪が降ることもあり、とくに古い家はとにかく寒いです!その寒さがあるからこそスキーなどのウインタースポーツも楽しめます。

一方で、春夏は山菜採りや海遊びや野菜作り、釣り、アウトドアアクティビティなど、田舎暮らしならではの楽しみが存分に味わえる季節です。

また、自然が近くにあることは、都会にはいないような虫がたくさん出ます。とくに隙間の多い、古い空き家では家の中でさまざまな虫に出会います。

人を知る

都会とちがって、インターネットなどにのっている情報が非常に少ない地方のまち。
観光情報はある程度発信されていても、暮らしに関わるリアルな情報がオンラインで流れていないのが現状です。

地域の情報は人から人に渡っていきます。
なので、より田舎暮らしを充実させるポイントは人との関わりといえそうです。

「都会を離れて静かに暮らす。」とよく言われますが、都会とちがい、歩いていると落ちているようなエンタメが非常に少ないので、何か自分だけで楽しむ趣味や暮らしの目的があればいいですが、そうでなく、人との関わりを持たずにいると、「何もない田舎」と感じてしまうかもしれません。

道を歩いている人をほとんど見かけず、車で走っていると「人なんてどこにいるんだ?!」という感じですが、人の集まるポイントやコミュニティはたくさんあります。
移住交流サテライトセンターがある「まぶや」もそんな場所のひとつです。そういった場所に行ってみて、話を聞いてみるのもより暮らしのイメージを掴むヒントになるのではないでしょうか?

もし、「こんなことをしている方のお話を聞いてみたい。」という場合は、移住交流サテライトセンターにご相談ください。

例えば農業をしている方、子育て中の方など、移住を考えられている方のヒントになるような暮らしをされている方のお話を直接聞く場を設けることも、移住交流サテライトセンターの役割です。

家探し

住まい探しは、移住交流サテライトセンターにご相談に来られる方の多くは大山町の「空き家バンク」の利用を希望されます。ご相談に来られた時にちょうどいいタイミングご希望されるような空き家物件が登録されていればいいのですが、すぐに条件の合う物件がない場合もあります。

移住を希望される方は知らない土地でいきなり物件を購入されるのは不安があるので、賃貸を希望される方が大多数をしめます。一方で、空き家バンクの登録される物件は、住んでいた方がいなくなり、所有者が管理を続けるのがむずかしくなったために登録されたものが大多数を占め、「手放したい」という空き家所有者の方が多く、売却を希望される物件がほとんどです。

賃貸物件が登録されると、ほとんどが早い段階で成約します。
なので、賃貸物件は万年不足気味で、すぐに家が見つからないケースがままあります。

そのために移住希望者と空き家のマッチングがむずかしい現状があります。

とくに、町内の西側、米子寄りのエリアは米子への通勤にも便利なので、地元の人たちからも需要が高く、賃貸、売買共に、とくに低価格の物件が空き家バンクに登録されることは少なくなっています。

また、空き家物件は修繕や、残された荷物の片付けが必要な場合もあります。家自体の価格が安い場合に、修繕や片付けの負担の量が多くなる傾向にあります。

なので、住宅の購入費用が抑えられても、その後の修繕に予想外の出費がかかることもあります。というより、まったく手を入れずに住める空き家はほぼないと考えておいた方が無難です。古い空き家は、住みはじめた段階では損傷が気にならなくても、数年後に改修が必要になる可能性もあります。

空き家登録されている古い物件は、昔ながらの大きめな住宅が多いことがあり、修繕が必要になった場合に、程度や規模によって費用が高額になることもあります。

ご自分で修理や修繕ができる方は問題ないですが、そうではない場合は、購入費用の他に数年以内にかかる修繕費用も、ある程度頭に入れて家を探されることをおすすめします。

都市部のイメージでは、大きな家=高額で、小さな家=低価格であると考えられますが、とくに地方の空き家事情においては、それは必ずしも当てはまりません。
昔から家族何世代かが一緒に住んでいた、部屋がたくさんある大きな家が、今は住む人がいなくなり、管理も手がかかるために空き家になってしまっているケースが多々あります。一方で、程よい大きさの家は現代のライフスタイルに合っているために市場性が高く、空き家バンクに登録される件数も多くないのが現状です。

このテキストを書いている、アドバイザーの小谷自身も、移住以来、空き家を探していましたが、希望に近い、今住んでいる家が見つかったのは、移住5年目でした。それまでは、居候したり、結婚して夫の実家に住んだり、町内のアパートに住んだりしていました。

築約40年の日本家屋に住んでいますが、冬はめちゃくちゃ寒い!真冬の朝、居間の室内温度が2℃だったことがあります。(笑)修繕したい場所リストは大小10個以上あります。2022年は壁に隙間が開いていて、風が通る窓がなく、冬はめちゃくちゃ寒く、夏はめちゃくちゃ暑い仕事部屋の断熱工事と窓の設置工事をしたいです。

住むと気になることが次々と出てくる、古い空き家住まいですが、もともとDIYが大好きでやりたかったこのなので、少しづつ家に手を入れるのを楽しみに暮らしています。そういうことが好きな人には楽しい空き家暮らしです。

空き家バンク

大山町では、空き家バンクの運用を行っています。空き家バンクとは、現在使用されていない空き家の所有者で、活用を希望している方と空き家の利用を希望される方のをご紹介を行うシステムです。
 空き家バンクに登録されている物件をご利用いただくためには、先に「空き家利用希望登録」が必要です。詳しくはメニューの空き家情報から。

暮らしのほとんどを変えることになる場合が多い地方移住。

思わぬ予定変更を余儀なくされることもあります。

焦って不本意な決断しなくてもいいように、予定外の変化をある程度受け入れ、おもしろがれる、時間的、経済的、体力的、精神的な余裕を持って、移住を計画をされることをおすすめしています。

あとあと「こんなはずじゃなかった…」とならないように、ぜひ必要な情報をしっかりとキャッチして準備してください。

大山町には、移住してきていろいろなことにチャレンジしている方や、移住者をサポートしてくれている地元の方もたくさんいます。

誰にとっても最高の移住先も、最低の移住先もないと考えています。同じ状況も、楽しいと感じられる人と、大変だと感じる人がいて、どちらも間違いではありません。その人に合った暮らしが見つかられるかどうか。

移住サポートの目的は、とにかく大山町に住まわせようとすることではなく、移住希望者の方ひとりひとりが、ご自身で判断して、いい形で新しい生活に一歩踏み出すのをお手伝いすることです。

ぜひ移住交流サテライトセンターやさまざまサポートを活用して、「私らしい大山暮らし」を見つけてください。